ハイサイ!石垣島在住の皆様、そして石垣島ファンの皆様。 突然ですが、「南国の島で魚が凍える日」があることをご存知でしょうか?

普段は最低気温が12℃ほどの暖かい石垣島ですが、数年に一度、強烈な寒波と共に信じられない光景が広がることがあるんです。 今回は、2016年に実際に起きた伝説の「大寒波」と、その時に島民たちが繰り広げた「魚拾いフェス」についてご紹介します。
30年ぶりの大寒波、到来。
時は2016年1月24日。天気予報が島民を震撼させました。
「予想最低気温 8℃」
「まさか石垣島で一桁なんて…」「魚が浮くかもしれないね」 そんな噂が飛び交う中、予報は的中。観測史上最低となる7.3℃を記録し、石垣島でもみぞれのような白いものが舞いました。 島民が初めて内地の冬用コートを引っ張り出した、歴史的な朝でした。
なぜ南国の魚は「凍える」のか?

実は、熱帯魚たちは寒さにとても弱い生き物です。彼らにとっての**「生死の境界線」は水温13℃**と言われています。
- 23〜28℃: 元気に泳ぐ
- 20℃以下: 動きが鈍くなり餌を食べない
- 15℃以下: 水温ショックで動けなくなる
- 13℃以下: 仮死状態
特に名蔵湾やアンパルのような遠浅の干潟では、「干潮」「強風」「夜間の冷却」が重なると、逃げ場のない浅瀬の水温が一気に奪われてしまいます。
夜明けと共に始まる「魚拾いフェス」
もっとも気温が下がる夜明け前。寒さで仮死状態になった魚たちが、波に身を任せて浜へ打ち上げられます。
ここで終わらないのが石垣島の島民です。
「日の出」+「干潮」=「今日だ!」
言い伝えを知る島民たちは、ビニール袋や網、バケツを手に一斉に海へ! 普段は賑わうビーチ(激戦区)では小さな魚しか残っていませんが、地元民だけが知る穴場スポットでは、ブダイやタコ、クモ貝などが袋いっぱいに獲れました。 まさに、自然発生的な「魚拾いフェス」の開催です。
蘇る命、いただく命
拾った魚の運命は二つに分かれます。
- 救助 (Rescue): ぬるま湯で温めて蘇生させ、海へ帰す
- 食料 (Food): 自然の恵みとして感謝していただく
多くの島民は、この予期せぬ「海の贈り物」を食卓に並べました。
その日の島民の食卓メニュー
- クモ貝: ハンマーで割って取り出し、サッと茹でて。
- タコ: 刺身や柔らかい煮物に。
- スーナとイカ: 和え物にして磯の香りを堪能。
「ごちそうさまでした」。厳しい寒さも、最後は笑顔で締めくくるのが島スタイルです。
まとめ:自然と共に生きる知恵

自然は時に厳しい試練を与えますが、同時に豊かな恵みももたらしてくれます。 2016年の大寒波、そして2021年の寒波。島民たちは「次に寒波が来たら、また早起きして海に行こう」と笑います。
石垣島の冬の海は、そんな島の人々のたくましさと、自然への感謝を静かに映し出しているのかもしれません。 もし冬に石垣島に来て、記録的な寒波に遭遇したら…ぜひ朝の海を覗いてみてくださいね。
参考資料:気象庁石垣島データ、沖縄CLIP、やいまタイム
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